昭和 36 年 2 月に施行された薬事法により、輸入医薬品の通関時の品質確認試験の実施が義務付けられたが、会員各社が自社で試験検査設備を設けることが困難であったことから、厚生省は当協会の前身である当時の医薬品輸入販売業者の任意団体「医薬品輸入懇話会」の要望に応え、昭和 37 年 10 月 30 日、薬発第 576 号厚生省薬務局長通知により、医薬品輸入販売業者が共同で利用できる輸入原薬の試験検査施設備の設置が認められることになりました。この試験検査施設の管理、運営のため、昭和 38 年 6 月 21 日に厚生大臣より設立認可された医薬品輸入販売業者の唯一の団体が社団法人日本薬業貿易協会です。
以来、今日まで60年余にわたり、会員が輸入する医薬品原薬等の品質確認試験検査を行うための試験検査施設を運営し、会員各社の医薬品の輸入業務を側面からサポートしています。また、平成24年4月1日には、一般社団法人に移行しました。
当協会の東京・大阪の試験所は、会員の「医薬品の外部試験検査機関」並びに薬局、薬局製剤製造業者及び化粧品製造業者からの試験検査を受託できる「厚生労働大臣登録試験検査機関」として、「医薬品の試験検査機関における試験検査の実施の基準」及び「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)」に対応するため、平成21年に東京試験所を北区に新築移転し、また平成29年に大阪試験所の拡張・平成30年に東京試験所の増築により、試験環境等の整備を行い、輸入医薬品の品質管理の確保を図るため試験精度及び技術の向上に向けて努力しています。
会員の多くが、医薬品の輸入業務とともにMF国内管理人や外国製造業認定の代行業務等を受託しており、外国製造業者に日本に輸出する医薬品の品質管理及び安定供給のために日本の薬事制度を理解してもらうため、薬事行政等に係る情報等を英語並びに中国語に翻訳し、諸外国の医薬品製造業者に発信する広報活動を行っています。
当協会会員は世界各国から高品質の医薬品原薬を輸入し、医薬品製造販売業者に安定的に供給することを通じて、国民の保健衛生向上の一翼を担っています。
近年、医薬品の安全性、有効性の確保は従前にも増して強く求められています。当協会会員に対しては一層の法令順守体制の周知徹底を図るとともに、法令、通知等の迅速な伝達、講習会、講演会等の開催及び会員からの要望事項等について関係当局との協議を行い、今後とも会員各社の薬事業務のレベルアップを図ることを目指してまいります。また、薬務行政全般について当協会会員は、積極的に協力し薬業界発展のために尽くす所存です。